1. TOP
  2. 放生寺の由緒沿革

放生寺について

由緒沿革

由緒沿革

放生寺は今から凡そ380年前、高田八幡の別当寺として開創されたお寺です。

開創の頃より徳川将軍家の崇信殊の外厚く、慶安二年(1649)には三代目将軍家光公ご参詣の折 「光松山威盛院放生會寺」の寺号を賜り、徳川家代々の祈願の寺として葵のご紋を寺紋に用いることを許され 御府内八十八ヶ所、江戸三十三観音霊場として広く一般のご参詣を頂いております。

當山ご本尊「融通虫封観世音菩薩」は、江戸の昔より今日まで多くの尊信を集め親しまれて参りました。

名称高野山真言宗 準別格本山 光松山威盛院 放生寺
開創寛永十八年(1641年)
開山権大僧都法印威盛院良昌上人

放生寺は寛永十八年、権大僧都法印威盛院 良昌上人りょうしょうしょうにんが 高田八幡(穴八幡)の造営に尽力され、その別当寺として開創されたお寺です。

江戸時代の當山の姿がご覧頂けます

創建から213年後の、嘉永7年(1854年)当時の地図。この辺り一帯は「放生寺門前」と称された。

(地図提供:株式会社 人文社「切絵図・現代図で歩く 江戸東京散歩」)

現在の放生寺付近の地図を見る

別当寺べっとうじ
神宮寺の一種。神社境内に建てられ、別当が止住し、読経・祭祀(さいし)・加持祈祷とともに神社の経営管理を行なった寺。
神宮寺じんぐうじ
神社に付属して建てられた寺院。神仏習合思想の現れで、社僧(別当)が神社の祭祀さいしを仏式で挙行した。 1868年(明治1)の神仏分離令により廃絶または分離。 宮寺。別当寺。神護寺。神宮院。神願寺。

放生寺のご本尊

聖観世音菩薩しょうかんぜおんぼさつ(通称 融通虫封観世音ゆうずうむしふうじかんぜおん
御真言 オンアロリキャソワカ

聖観世音菩薩は、南海の補陀楽浄土におられる菩薩様で、そのお名前の示すとおり世の人々の声を聞き、その苦しみや悩みを救い悪事災難を除くことを御誓願とされている慈悲深い仏様で御座います。
観音経に由ると我々が災難に遭ったとき観音様を一心に念ずると自由自在にお姿を変えてお救い下さることから観自在菩薩とも云います。
そのお姿が三十三身あるとされ観音霊場が三十三の札所となった起こりともなっております。
放生寺のご本尊は古くより融通虫封じ観世音として称され親しまれて参りました。

融通とは滞り無く通じることを意味します。
冬至より授与いたしております「一陽来福いちようらいふく」も「ゆうずうさん」と呼ばれ多くの方に親しまれております。

虫封じは起源は定かではありませんが江戸の時代より夜泣きや疳の虫の祈祷霊験あらたかな寺として多数の老若男女の参詣があり今日にいたって居ります。

尚、本尊様は秘仏のため、年二回の開帳法会で御参拝出来ます。

春季本尊開帳法会 四月十八日
秋季本尊開帳法会 スポーツの日

誓願せいがん
仏・菩薩ぼさつ衆生しゅじょうを救おうと願って立てた誓い。
補陀楽浄土ふだらくじょうど
インド南端の海岸にあり、観音が住むという八角形の山。

真言宗の宗祖

弘法大師 肖像画 弘法大師
御真言 南無大師遍照金剛なむだいしへんじょうこんごう

真言宗を立教開宗致しました弘法大師空海は今を遡ること1230年前の宝亀五年(774年)現在の香川県善通寺市に父を佐伯善通、母を玉依御前の間にお生まれになりました。
幼名は真魚(まお)と名付けられました。
幼少の頃より修学にすぐれまた、仏教を深く信仰されておりました。
18歳で都に出て大学に入るも当時の栄華と虚飾に満ちた都の空気と大学内の立身出世主義にはなじめず大学を中退され仏門に入る決心をされました。
その後山野で御修行の後、延暦23年(804年)大師31歳の時に遣唐使して留学生の身分として入唐を果たしたのでありました。
唐においては当時の都西安で恵果和尚について密教を学び大同元年(806年)に帰国されました。
その後は京都にて密教の教え広めるために日々尽力されましたが、弘仁7年(816年)43歳の時に嵯峨天皇より高野山開創の勅許を賜り七里四方の山を真言密教の根本道場としてお開きになりました。
しかし承和2年3月21日高野山において永遠の禅定に入られました。
これを入定と言い単なる人間の死ではなく死を越えられて不死の境地に入られたのです。
入定の際にお大師様はご誓願として

虚空尽き 衆生尽きなば 涅槃尽きなば 我が願いも尽きなん
世界が尽きるまで、迷える衆生が尽きるまで、さとり(衆生を救う行)の尽きるまで、永遠に仏に祈りつづけたい。空、衆生、さとりが尽きれば、わたくしの願いも尽きるであろう。

と言うお言葉を残されました。
二十一世紀の今日もお大師様は我々の救済のために祈り続けられて居るのです。

ありがたや 高野の山の岩かげに 大師はいまだおわしますなる
(弘法大師第一番御詠歌)

放生寺について